『流浪の月』は気持ち悪いのか?ケチャップの意味は?【原作の違い解説】

『流浪の月』は気持ち悪いのか?ケチャップの意味は?【原作の違い解説】

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映画『流浪の月』についてです。

せっかく時間をかけて観賞したのに、その感想が「気持ち悪い」だとしたらちょっと勿体ないですよね。

ということで、感想を交えながら解説していきたいと思います。

以下、ネタバレが含まれます。

【流浪の月】作品情報

作品名『流浪の月』
公開日2022/5/13
制作国日本
上映時間150分(2時間30分)
監督李相日
脚本李相日
主演広瀬すず、松坂桃李
(映画『流浪の月』作品情報)

【流浪の月】簡単なあらすじ

主人公・更紗(さらさ)は、「かわいそうな被害者」の烙印をおされた女性。

本音を隠し、婚約者ともうまくいかず、自分の居場所を見つけられずにいた。

そんなある日。十五年の時を経て、“幼い更紗を誘拐した犯人”・史(ふみ)と再会する。

史は世間から幼女趣味があるとして白い目を向けられるものの、本当の事情はふたりにしか分からない。

更紗は再び史の傍にいることを願うのだった――。

映画『流浪の月』は気持ち悪いのか?―気持ち悪いと言われる理由

道端をひとりで歩く幼女

この映画、非常に「気持ち悪い」という声が多いです。

その理由はというと、本作のヒーロー・史に「幼女趣味(所謂ロリコン)疑惑」があるからなのです。

……しかしこの映画、本当に「気持ち悪い映画」なのでしょうか?

実のところ、じっくり映画鑑賞してみれば、本作のヒーローは「幼女趣味」でないことを理解できます。

彼の正体は「幼女趣味」の皮を被った「下半身の病気をもった人」なのです。

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ケチャップの意味など、原作との違い

ケチャップの意味は?

映画

ラストに、更紗のケチャップを拭うシーンが回想として差し込まれる。

原作小説

原作小説では、序盤のほうに更紗のケチャップを拭うシーンがある。
その理由も説明されている。

なぜケチャップを拭った?(原作ネタバレ)知りたい方はこちらをクリック!

ケチャップを拭うフリをして更紗の唇なぞり、欲情対象となるのか確かめたから。
(ならなかった。)

※相手の同意なしに、女の子の唇なぞるその行為は、気持ち悪いかもしれませんね――……。

映画では、ラストに更紗の唇のケチャップをぬぐうカットが差し込まれているため、「……もしかして、性的な悪戯をしていたのでは?」などと想像が駆り立てられてしまいます。

これでは観賞後も安心できませんよね。

ネット上にはさまざまな考察がされています。

(なかには、唇と女性器を重ね合わせる考察も!)


かくいうわたしも「ケチャップのシーン、意味不明だ!」と感じていたうちの一人です。

しかし、映画観賞後に気になって原作を読んだところ、すんなり意味が分かりました。

物語のスタートについて

映画

映画は、十数年後から物語が動きだす。

原作小説

原作小説は、更紗の「小学生時代」から物語はスタートする。「日常からの転落」「公園でのふたりのやりとり」が描かれている。

この差は小さいようで大きいです。

たとえば、映画にあった「更紗は変わらないな」というセリフ。

更紗の幼少期を知ることで共感できますし、15年後の各エピソードの良さが爆発するように思うのです。

なるほど、世間からの評価が高いわけだ、と納得しました。

読了後は「気持ち悪い」とは程遠い感情があり、満足感があります。

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原作小説『流浪の月』は、わたしが読んできた作品のなかでも読みやすかったです。映画で採用されたシーンと照らし合わせるのも楽しみのひとつでした。

まだの方はぜひ、一度原作小説も読んでみてくださいね。

きっと「気持ち悪い……」以外のなにかと出会えるはずです。

【流浪の月】は気持ち悪い?ケチャップの意味は?原作の違いについてまとめ

今回は映画『流浪の月』についてまとめてみました。

  • 気持ち悪いと言われる理由……一見、ロリコン映画だから。
  • ケチャップの意味……性行為の象徴ではない。
  • 原作の違い……小説原作のほうが、更紗が史に誘拐されるまでの描写が細かい。理解しやすい。

以上の結果となりました。

もしかしたら、観賞後にいろいろな可能性を想像させることは、李監督の狙い通りだったのかもしれませんね。

本記事では原作を基に幼女趣味を否定はしましたが、あなたが「いや、やはりこれはロリコン映画だ!」と感じたのなら、それもまた1つの正解なのでしょう。

以上となります。
では、またどこかの作品でお会いしましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。



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この記事を書いた人 Wrote this article

白うさぎ

白うさぎ

趣味は読書と一人映画。 好きなジャンルは「アニメ・ファンタジー・サスペンス」です。シナリオライターの経験あり。