リズと青い鳥の考察│最後のセリフや驚いた顔(ラスト)･希美が笑った理由は？原作は？

映画『リズと青い鳥(2018)』についてです。

本記事では、

• 最後のセリフ･みぞれの驚いた顔の意味(ラスト)
• みぞれが笑った理由
• 原作(元ネタ)

について考察し、ご紹介しています。

『リズと青い鳥』作品情報

あらすじ・ストーリー紹介

あの子は青い鳥。
広い空を自由に飛びまわることがあの子にとっての幸せ。
だけど、私はひとり置いていかれるのが怖くて、
あの子を鳥籠に閉じ込め、何も気づいていないふりをした。

北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美。

高校三年生、二人の最後のコンクール。
その自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。

「なんだかこの曲、わたしたちみたい」

屈託もなくそう言ってソロを嬉しそうに吹く希美と、
希美と過ごす日々に幸せを感じつつも
終わりが近づくことを恐れるみぞれ。

「親友」のはずの二人。

しかし、オーボエとフルートのソロは上手くかみ合わず、
距離を感じさせるものだった。

引用元：映画『リズと青い鳥』チラシ│『響け！』製作委員会

主な登場人物(キャスト)

• 鎧塚みぞれ(種﨑敦美)……北宇治高等学校・吹奏楽部所属の3年生。オーボエ担当。大人しい性格。
• 傘木希美(東山奈央)……北宇治高等学校・吹奏楽部所属の高校3年生。フルート担当。明るい性格。
• リズ・青い鳥の少女(本田望結)……本作に登場する童話『リズと青い鳥』の登場人物。

最後のセリフや、みぞれの驚いた顔の理由は？考察

個人的に最後のセリフは、

「みぞれの笑顔も好き！」

がしっくりときます。

以下に、理由について詳しく解説します。

１．噛み合わないふたりだけど…

この物語は“噛み合わないふたり”がひとつのテーマとなっています。

「好き」の種類はもちろんのこと、会話も例外ではありません。

例えば、

• 疑問形になってしまうみぞれ
• 「ハッピーアイスクリーム！」の意味

などがありました。

そんな彼女たちですが、ラストでは(希美は背後にいるみぞれの方を見ていないにも関わらず)、

“いま、みぞれが笑顔だ”

と、そんなことは分かってしまう……という爽やかなオチだったのかなと思っています。

２．本当は、みぞれを吹奏楽部に誘ったことを覚えていた

劇中で、希美は「誘ったこと覚えていない」ととぼけましたが、本当は覚えていました。

何故なら、みぞれと別れて廊下を歩いていく帰りに、そのシーンを回想しているからです。

さらに、声かけた時の、みぞれの手の震えまでも記憶しています。

そんな彼女に安心してほしくて、笑顔になってほしくて、吹奏楽部に誘ったのかなと思うのです。

本作は、希美が嫉妬するの物語なので誤解されがちですが、彼女は「中川夏紀の100倍、吉川優子の500倍いい子(笑)」なのです。(アニメ『響け！ユーフォニアム2』4話より)。

きっと観客の数だけ答えがある！

公式によるインタビューでは、監督が以下のように応じています。

映画『リズと青い鳥』では、偶々みぞれと希美という二人の女の子の物語として描いていますが、誰の心にでもきっとある、形を変えてでも感じたことがある「思い」を描いた作品だと思います。100人の方がご覧になったら、100通りの感想があるんじゃないかなぁと思うので、観た後にちょっと語らってみたくなる、そんな映画になっているのでは、と思います。どうぞ、公開をお楽しみに。

引用元：映画『リズと青い鳥』公式サイト│『響け！』製作委員会

観客の数だけ感想があっていいように、最後のセリフも同様、観客の数だけ回答があるのでしょう。

まさに“語らいたくなる”ラストです！

因みに、制作陣から与えられているヒントとしては、

1. 「join」な内容であるということ。
   (※映画の最後に表示される文字)
2. みぞれが「ほえぇ？」となる内容だということ。
   (※みぞれは、唐突に希美が振り返ったことに驚くが、希美がなにか言ったあと、なお驚いているように見える)

ということになるでしょう。

ネット上の感想を見ても、色んなセリフがあり、非常に興味深いです。

希美が笑った理由は？考察

希美が笑った理由については、ふたつの意味があると思います。

「嫉妬からの開放」
「リズと青い鳥(童話)に重なる2人」

です。

以下に詳しく解説します。

嫉妬からの開放

希美はみぞれの音楽の才能に嫉妬していました。

みぞれにとっては希美が全てだったように、希美にとっては音楽の才能が全てでした。とくに、進路を決める時期でしたから。

「みんなを引っ張って、いつも楽しそうで凄いなって思ってる。希美の笑い声が好き。希美の話し方が好き。希美の足音が好き。希美の髪が好き。希美の、希美の……全部」(みぞれ)

出典元：映画『リズと青い空』│『響け！』製作委員会

みぞれは、希美を全肯定します。

「音楽が全て＝音楽の才能でわたしの価値が決まる」という価値観から、希美が抜け出すきっかけになったのだと思います。

リズと青い鳥の童話に重なった

希美は、みぞれからの告白に対し「みぞれの音楽が好き」とだけこたえました。

本音というのもあると思いますが、“みぞれを自由にするため”というのが根底にあると思います。

“わたしと同じ大学の道来ちゃダメだよ、音大に行ってオーボエ続けてね”と。(※その後、みぞれの音楽練習のカットで、楽譜に「羽ばたけ！」という落書きメッセージあり)

因みにこれまで「大好きのハグ」を避けたりしていたのは、きっとみぞれからの気持ちに気づかないフリをすることで、そっけない態度をとることで、才能のあるみぞれの気をひき止めていたのだと思うのです。

希美が笑ったのは、緊張が解けたのとともに、「これじゃ、本当にリズと青い鳥だよ」と可笑しくなったのでないでしょうか。

『リズと青い鳥』原作は？

映画『リズと青い鳥』の原作は、「『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 (宝島社文庫)』」です。

アニメであのシーンが登場するのは何話？

作中に出てくる「勝手に辞めちゃった希美が、部活に戻ってくる」というエピソードは、

アニメ『響け！ユーフォニアム』のシーズン2

に収録されています。

因みに、わたしはシーズン1を観ていませんが、問題なく楽しめました。

2話では、水着姿のかわいい希美が見られますよ。

アニメ『響け！ユーフォニアム』のシーズン2を視聴するなら、アマゾンプライムがオススメ！