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本記事では韓国映画『奈落のマイホーム(2021)』のテーマとなったシンクホールの発生メカニズムや特徴を、事例を紹介しながら解説していきます。
- 『奈落のマイホーム』は実話なのか
- シンクホールとは何か・なぜ起こるのか
- シンクホールの事例
映画『奈落のマイホーム』は実話に基づいていると言われているが…
映画『奈落のマイホーム』は、「1999年に釜山で実際に起こった実話を基に制作された」といわれています。
しかしながら、1999年に釜山で起こったとされているシンクホール事件の実態については、明らかにされていません。
以下、韓国の釜山で発生したシンクホールの事例について幾つか紹介します。
- 実例1:2016年8月28日、釜山広域市東レ区サジクドン辞職女子付近、深さ5メートルのシンクホール発生。人命被害はなし。
- 実例2:2018年7月11日、釜山広域市繁栄路、シンクホール発生。
- 実例3:2019年12月11日、釜山広域市北区万徳洞万徳交差点、シンクホール発生。
- 実例4:2021年4月22日、釜山広域市沙河区、シンクホール発生。
- 実例5:2024年8月21日、釜山広域市沙上区、シンクホール発生。
ソウル、釜山、光州などの大都市で急増。
2022年1月には、国会立法調査処が「2017年から5年間の間で、全国に発生したシンクホールは1176件に及んだ」ことを発表しています。
そもそも、シンクホールとは何か?
「シンクホール」とは地下の空洞が崩壊して地表に大きな穴が開く現象のことです。
この現象は、特に石灰岩や苦灰岩といった特定の地質環境で発生しやすいです。
※別名:「ドリーネ」「巨大穴」「地割れ」など。
シンクホールの特徴は?
- 突然の発生: シンクホールは予測が難しい。
- サイズの多様性: シンクホールの大きさはさまざまで、数メートルから幅100メートルを超えるものまで存在する。
特に大規模なシンクホールは「悪魔の穴」と呼ばれます。
【なぜ起こる?】シンクホールの原因大きく2つ!
シンクホールの原因は、主に自然現象と人為的要因に分類されます。
1:自然現象
- 地下水の浸食: 地下にある石灰岩や苦灰岩が酸性の地下水によって徐々に溶かされ、空洞が形成される。
これが進行すると、上部の土壌の陥没が起こる。 - 地質(ちしつ)活動: 地震や火山活動によって、地下の空洞が崩れることがある。
2:人為的要因
- 漏水: 下水道や上水道の管が破損し、水が地下に漏れることで地盤が崩れる。
特に、長期間の漏水があると、地面の土壌が流され、陥没が発生。 - 建設工事: 土地の掘削(くっさく)や建物の建設に伴って地下水の流れが変わり、地盤沈下が起きる場合がある。
- 採掘活動: 鉱山や採石場などでの掘削により、地面が空洞化し、陥没のリスクが高まる。
近年、都市部におけるシンクホールは主に人為的な要因に起因しています。
「陥没地区」と呼ばれる地域がある
アメリカでは、シンクホールが数多くの地域で発生しており、幅約100メートル以上の巨大シンクホールも見つかっています。
なかでも特にフロリダ州とテキサス州はそのリスクが高いことで知られています。
特にヒルズボロ郡では、シンクホールによる事故が多発しており「陥没地区(かんぼつちく)」と呼ばれています。
その影響で保険金請求の大半がシンクホールに関連しているという報告がされています。
事例:タンパの悲劇
タンパでは、2013年に発生したシンクホール事件が特に衝撃的でした。
この事件では、37歳の男性が自宅で眠っている間にシンクホールに飲み込まれ、家族により救助が試みられたものの、悲しいことに男性は深い地中に消えてしまいました。
この事故は、シンクホールがいかに突然現れ、命に関わる危険をもたらすかを示しています。
シンクホールによる事故は、家屋や道路の崩壊だけでなく、交通の混乱も引き起こします。
大規模なシンクホールが発生した場合、周囲のインフラが損なわれるため、地元の経済に対する影響も深刻です。
日本国内の主なシンクホール発生地域
日本ではシンクホールが目立つ地域として、主に鉱山や採石場の跡地、または地下道などが挙げられます。
- 岐阜県可児郡の御嵩町:亜炭の採掘が行われた結果、地盤が削られ、シンクホールが発生しやすい。
- 栃木県宇都宮市の大谷町:大谷石の採掘がもたらしたユニークな地形で知られている。地下に広がる採掘跡が原因で、シンクホールが発生しやすい。
- 北海道三笠市:旧北炭幌内炭鉱の跡地。シンクホールの発生が顕著な地域のひとつ。
- 福岡県筑豊地区:過去の炭鉱活動の影響で地面の構造が不安定。シンクホールのリスクが高まっている。
- 都市部:古くなった下水道管や地下道が影響を及ぼしており、これが原因で道路の陥没が発生。
これにより、住民の日常生活にも様々な困難がもたらされています。
シンクホールの発生は、地盤の変動や地下水の流れと密接に関連しており、その予測は難しいものです。
ゴルフ場におけるシンクホールの発生が注目されている
ゴルフ場での発生事例1:アメリカ
2015年5月22日、アメリカのミズーリ州に位置する「トップ・オブ・ザ・ロック・ゴルフコース」で、早朝の間にいくつかのシンクホールが発生しました。
その中でも特に注目を集めたのは、直径約25メートルの大きな穴がゴルフ場の入り口近くに現れたことです。さらに、他の場所では、深さ5.5メートル、幅8メートルのシンクホールが確認されました。
幸いなことにこの時は早朝だったため、大きな怪我人は報告されていません。
地質条件とシンクホールの生成メカニズム
このエリアは「カルスト地形」として知られており、石灰岩が水に侵食されやすい特性を持っています。
専門家の見解によれば、長時間の降雨が地下水に影響を与え、地下の洞窟空間に対する地表の崩落がシンクホールを引き起こしたとされています。
ゴルフ場での発生事例2:日本
日本でも類似の事故が発生しています。2009年には、北海道の「ル・ペタウゴルフ」で、女性がシンクホールに落ちて命を失う悲劇がありました。
この事故は、地下水の作用によって土壌が侵食されたことが原因と考えられています。
調査結果により、ゴルフ場周辺において土砂の堆積が進み、地形に変化が生じていたことが確認されました。
事故防止のための取り組み
シンクホールによる事故を未然に防ぐため、ゴルフ場では定期的な地下調査や荷重試験を実施しています。
特に、北海道の一部のゴルフ場では空洞調査と並行して大型トラクターによる試験を行い、安全性の確保に努めています。
7. シンクホールへの対策
シンクホールの発生を未然に防ぐためには、以下のような対策が有効です。
- 調査と監視: 地盤の調査を行い、地下の空洞や地下水の流れを把握することが重要。
特に、シンクホールが多発する地域では、定期的な監視が求められる。 - 漏水修理: 水道や下水道の配管を定期的に点検し、破損や漏水を早期に発見して修理することが必要とされる。
- 適切な施工: 建設工事を行う際には、地盤の状態を考慮した施工法を採用し、地下水の流れを適切に管理することが重要。
- 地下水管理: 地下水位を適切に管理し、無駄な引き上げや流出を避けるための工夫が必要とされる。
これらの対策を講じることで、シンクホールの発生リスクを軽減することができるでしょう。
『奈落のマイホーム』実話/事件一覧についてのまとめ
映画『奈落のマイホーム』の基となった実話・「シンクホール事件」についてご紹介しました。
シンクホールは自然現象と人為的活動の両方が原因となって発生する危険な現象です。
アメリカやフロリダ州などでは深刻な問題となっています。
日本国内でも採掘跡地や市街地の地下構造物が関係して発生するケースが見られます。
事故を未然に防ぐためには、地盤調査や漏水対策、適切な建設工事などの対策を講じ、常に注意を払う必要があります。
シンクホールに対する理解を深めることで、私たちの身の安全を守ることができるでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。