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2024年に日本で公開された映画『ミッシング』についてです。
失踪した6歳の娘の行方を必死で探す母親と家族の物語です。
事件をきっかけに崩壊していく家族の姿、メディアや世間との関わり、母親の心理的な変化、母親演じる石原さとみさんの光る演技が見どころです。
本記事では、
「『ミッシング』は実話なの?」
「元ネタやモデルとなった事例はある?」
「原作は?」
についてご紹介しています。
ぜひご覧くださいませ。
【関連記事】映画『ミッシング』ラストの意味は?女の子や犯人など(ネタバレ考察)
映画『ミッシング(※日本)』作品情報
作品名 | 『ミッシング』 |
---|---|
公開日 | 2024年5月17日 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 119分(1時間59分) |
監督 | 吉田恵輔 |
主演 | 石原さとみ |
原作はある?
原作はありません。映画『ミッシング』は、吉田恵輔監督によるオリジナルです。
映画『ミッシング』あらすじ・ストーリー紹介
引用元:映画『ミッシング』公式サイト(https://wwws.warnerbros.co.jp/missing/)とある街で起きた幼女の失踪事件。
あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。
そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。
世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。
一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。
それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。
その先にある、光に—
映画『ミッシング』は実話?元ネタはある?(※日本)
映画『ミッシング』のモデル(実話)として噂されているのは、山梨キャンプ場女児失踪事件です。
児童行方不明の事件は多いです。
警察庁生活安全局人身安全・少年課のデータによれば、2023年の日本の行方不明者数は9万144人でした。
未成年の未解決事件を例にあげると、
- 山梨キャンプ場女児失踪事件
- 泉南郡熊取町小4女児誘拐事件
- 室蘭女子高生失踪事件
などが注目されています。
実例1.山梨キャンプ場女児失踪事件
2019年9月21日、山梨県南都留郡で起きた小1女児が失踪した事例。
その日、7組の家族が集まりキャンプをしていました。女児が他の子どもたちの後を追ったところ、行方をくらましました。
10分ほどの間の出来事でした。
経過など
捜索には、警察や消防、自衛隊など延べ約1700人が加わったものの手がかりは見つからず。
9月28日に自衛隊が撤退しました。
2022年4月23日、ボランティアで捜索していた男性が、600mほど離れた場所で骨を発見。
2022年5月14日、4月23日に発見した骨が本人のものと確認されました。
死因の特定には至っていません。
事件を通じ、SNSにて、女児の母親に対し多くの誹謗中傷がありました。
2020年10月19日、名誉毀損の罪で男が逮捕されています。
実例2.泉南郡熊取町小4女児誘拐事件
2003年5月20日、大阪府泉南郡で起きた小4女児失踪した事例。
社会科見学の帰り、同級生3人と別れたあとに行方をくらましました。
経過など
2003年6月19日、約2900人捜査員により一斉捜査されましたが、有力な手掛かりは得られませんでした。
状況や目撃証言から、何者かに自動車(白いクラウン)で連れ去られたとみられています。
のちに、この件で、女児の父親に対し、とある男女が詐欺事件(総額約7,000万円)を働いています。2008年12月6日に逮捕されました。
また2011年2月4日には、ネット掲示板で誹謗中傷した男が名誉棄損で逮捕されています。
実例3.室蘭女子高生失踪事件
2001年3月6日、北海道室蘭市で起きた女子高が生失踪した事例。
女子学生は、アルバイト先のパン屋に行くと告げたまま、行方をくらましました。
彼女は、中学時代にファン倶楽部があったほど人気者だったとのことです。
経過など
失踪前、女子学生が“いたずら電話”が多いと悩んでいたことや、当日の状況から、事件性が強いとみなされました。
延べ14300人の捜査員が導入されましたが、未解決のままです。
この件で、女子学生のバイト先であるパン屋のオーナーに疑いの目を向けられ、心無い言葉を投げかけられました。
その背景には、事実無根の報道があったといいます。
そのためパン屋の売り上げは減少し、閉店をやむ無くされました。
映画『ミッシング』と実話の共通点
1.懸命な捜索活動
被害者家族による、SNSや街頭での呼び掛け・看板を立てたり大量のチラシを刷って配布など、懸命な捜索活動が行われています。
2.車の目撃証言のみ・犯人が特定されない恐ろしさ
犯人がいた場合、平然と社会に潜伏している可能性があります。
犯人は裁かれず、別の子をターゲットにして犯罪を繰り返すかもしれないという恐ろしさがあります。
また、無実の人(被害者家族にも)疑いがかけられる場合もあります。
3.メディアの報道と世間の反応
メディアの炎上商法による報道が、誤解を招くことがあります。その結果、当事者は深い傷を追います。
映画では、それでもメディアの力に頼るしかない母親の苦悩が描かれています。
4.誹謗中傷などの二次的被害
日本はインターネットが普及しており、二次的被害が発生しやすい環境です。
「いたずら電話」
「詐欺」(捜索費・占いなど)
「誹謗中傷」
いずれも、精神的に弱っているところに追い打ちをかける卑劣な行為です。
最終的に、被害者家族たちは、根拠のない誹謗中傷を受けたとして、名誉毀損の罪で刑事告訴しました。
映画『ミッシング』実話についてまとめ
本記事では、日本映画『ミッシング』の実話性についてまとめてみました。
映画の出来事に近い実話として幾つか例にあげ、共通点をご紹介しました。
- 山梨キャンプ場女児失踪事件
- 泉南郡熊取町小4女児誘拐事件
- 室蘭女子高生失踪事件
ネットリテラシーの向上はもちろんのこと、このような事件がなくなることを願うばかりです。
最後までご覧いただきありがとうございました。