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映画『万引き家族』は、是枝裕和監督による2018年の作品です。
同年、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、注目を集めました。
この映画は、貧困層の家族が万引きをして生計を立てる姿を通じ、家族や幸せの本質を問いかけます。
以下、“観賞後に残る気持ち悪さの正体”に集点をあてた深堀りレビューです。
ぜひご覧くださいませ。
映画『万引き家族』作品情報
作品名 | 『万引き家族』 |
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公開日 | 2018年6月8日 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 121分(2時間1分) |
監督 | 是枝裕和 |
キャスト | 柴田治:リリー・フランキー、柴田信代:安藤サクラ、柴田亜紀:松岡茉優、柴田祥太:城桧吏、りん:佐々木みゆ |
『万引き家族』のあらすじ・ストーリー紹介
従来の家族の定義を越えた家族。
映画『万引き家族』では、血縁関係のない6人の老若男女が一つ屋根の下で暮らしています。
万引きをしなければ成り立たないひもじい生活ですが、彼らの間には思いやりも笑いもあります。
経済的な豊かさよりが必ずしも幸せをもたらす訳ではないのだ、精神的なつながりが重要なのだと思わせてくれます。
一方、物語が進むにつれ、家族が抱えていた闇が明るみになると、その姿は形を変えていきます。
映画『万引き家族』ネタバレ感想文~親のエゴが気持ち悪いのさ~
気持ち悪い理由1.両親のエゴと現実
両親のエゴ、全てはそこに尽きるなぁと思いました。
観賞後に気になったのは、「果たして、子供たちは幸せだったのだろうか?」という点でした。
本来であれば、同い年との友達と出会い無邪気に遊んでいる年齢の子らに、風俗や盗みを働かせていたからです。
とくに、義務教育もされず、少年が家で本を読んでいるのは切ないシーンです。
気持ち悪い理由2.「おつりがくるほど」幸せだった親。
両親にとって、子供たちとひっそりと暮らせることは何よりの癒しだった――というのはしっくりきました。
罪の意識から、贅沢は望めません。しかし、罪滅ぼししつつ(?)、親の喜びを味わう方法がありました。
“拠り所のない子供たちの万引き”です。
彼らは殺人犯なので、スーパーでの万引きや、子供を自分等で保護することくらいでは何とも思えなくなっていたのだと思います。
しかし「親」ではなかったのさ。
しかし彼らは、親の器ではありませんでした。
父親は幼い息子に、「誰にも気づかれず、店が潰れないなら、盗んでも構わない」のように教えていましたね。この時点でかなりグレーです。
さらに、「妹も役に立てた方が安心するから、万引きさせなさい」のようなことを教えながら、
息子から「駄菓子屋の店主に妹に万引きさせるなと忠告された」ことを伝えられると、「そりゃそうだろう」と認める矛盾がありました。
これは気持ち悪いですね(汗)。
母親についても、
夜のお店を開こうかと考えたとき、「アキを雇えば…」という発想になり、いまの仕事についても口出しません。
ある意味では、我が子ではなくよその子(わたしたちのものではない)と線引きしていたからこそ、良い関係を築けていたのかもしれません。
よその子を安易に叱ることはできないからです。
彼らは良き話し相手でしたが、指導者にはなれませんでした。
父親が息子に「かっこういい」と言われることを夢見て、うまいとは言えないサッカーをしているシーンは胸が痛みます。
彼もまた、犠牲となった子供のひとりだったのだろうと思うからです。
結局、万引き家族とはなんだったのか
“万引き家族とはなんだったのか?”
――それは、散らかりきった部屋が答えなのではないでしょうか。
部屋は心情を映し出すといいます。
6人の精神は不安定。心からの安心は得られなかったけれど、慰めは確かにそこにありました。
だからこそ、アキは戻ってきたのでしょう。
彼らの関係は、親子ほど歳が離れていたというだけで、友人関係に近かったのだろうと思います。
きっと、社会に居場所がない者同士の、心の拠り所だったのだろうと思うのさ。
映画『万引き家族』のネタバレ感想文まとめ
本記事では、映画『万引き家族』についてのネタバレ感想をまとめてみました。
本作は、多くの社会問題を扱った素晴らしい作品です。
開始からすぐ引き込まれて夢中になり、あっという間でした。色々考えさせてくれました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
またどこかの作品でお会いできれば幸いです。