……おや、きさらぎ駅について気になってるお顔だニャ。
映画『きさらぎ駅(2022)』について。
本作は、インターネット上の都市伝説をベースにしたホラー作品だ。
「ラストの意味は?」
「7年の年月が経った意味は?」
「元ネタ(原作)・違いは?」
本記事にて、本説があたかも真実かのように解説していく――。
映画『きさらぎ駅』作品情報
作品名 | 『きさらぎ駅』 |
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公開日 | 2022年6月3日 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 82分(1時間22分) |
監督 | 永江二朗 |
キャスト | 恒松祐里(主演)、佐藤江梨子、本田望結、莉子、寺坂頼我、木原瑠生、瀧七海、堰沢結衣、芹澤興人 |
映画『きさらぎ駅』あらすじ
引用元:映画『きさらぎ駅』│「きさらぎ駅」製作委員会大学で民俗学を学ぶ堤春奈(恒松祐里)は、卒業論文で十数年来、ネットで現代版❝神隠し❞と話題になっている都市伝説「きさらぎ駅」を題材に取り上げることにした。
リサーチの結果、「きさらぎ駅」の原点となった書き込みの投稿者『はすみ』ではないかとされる葉山純子(佐藤江梨子)という女性の存在を知る。
ようやく純子への連絡先を知り、数ヶ月にわたりメールでやり取りした結果、春奈は遂に純子と会う約束を取り付ける。
指定された場所は「きさらぎ駅」の舞台となった路線にある一軒家。春奈を出迎えた純子はどこか影のある雰囲気を持つ女性。
部屋へ案内され、早速、ネットで噂される『はすみ』本人との真偽を確かめる春奈に対して、純子はどこか謎めいた笑いを浮かべながらも春奈からの問いかけに静かに頷く。
続けて、純子から「きさらぎ駅」へたどり着いた経緯、その後の出来事などを聞いた。その内容は春奈には到底信じられるものではなかったが、純子の話のなかで春奈はなぜ純子だけが「きさらぎ駅」へたどり着くことができたヒントに気づく。
純子と別れた春奈は自然に「きさらぎ駅」の舞台となった遠州鉄道の駅へ向かう。
この選択が春奈の運命を大きく狂わせることになってゆく。
映画『きさらぎ駅』主な登場人物
- 堤春奈(恒松祐里)
……大学生。都市伝説「きさらぎ駅」について調べている。 - 葉山純子(佐藤江梨子)
……「きさらぎ駅」に行ったことのある女性。 - 宮崎明日香(本田望結)
……女子高生。純子の勤務先の学校の生徒。
考察1:ラストどういう意味?「意味わからない」
ラストの意味は、元教師が教え子の女子高生を救うため、主人公にウソの情報を与えたということだ。
つまり、もし主人公が自己犠牲を払おうとしていたならば、彼女自身が助かっていたということになる。
元教師は、“結局、自分が一番可愛い”という人間の本質を捉えていたのだろう。
…どういうこと?
浮かびあがる疑問点としては、
- なぜ、先生自ら探しにいかなかったのか(1人しか返ってこられないという確証をもてたのか)?
- なぜ、紛れ込んだときに彼女が再び生きていると確証があったのか?
という2点だ。
その答えは、先人を送り出して検証を重ねたのかもしれない。(壁一面の張り紙は、それに関する資料と捉えることができる)
その結果として、
「話に出てきた女子校生がいた」
「ふたりで光のドアに入ったのに、なぜか1人だけ戻ってきた」
などの事実が浮き彫りになったのだろう。
考察2:7年の年月が経ったのはなぜ?
7年の年月が経った理由は、異世界の時間がループしているからだ。
つまり、元教師は、元の世界でいう7年の間、異世界でループしていたのだ。
因みに、
- 亡くなったはずの人が生きている
- 記憶がリセットされる
という条件からは、
「きさらぎ駅に新たな人物が紛れ込んだ場合に、異世界に分岐点が発生する(パラレルワールド)」
という可能性も考えられるが、7年経っていることから、単純にループしているはずだ。
つまり、元教師は1度目で生還したと思いこんでいるが(思いこんでいないかもしれないが)、実際のところは何度めかのループの末、光のドアに行きついた可能性が高い。
- 目覚めてからの記憶はリセットされる
- 同じ展開が待っている
- 光のドアの先が元の世界に繋がっている
- 元の世界に戻れるのは先着1名様
- (光の扉が現れるのは生存者が2名になったとき?)
考察3:映画『きさらぎ駅』が怖い……
怖い1:主人公の行く末
恐らく、主人公がきさらぎ駅の住人から抜け出せる未来はほぼない。
何故なら、記憶がリセットされる限り、学びも成長もないからだ。
電車で目覚めた主人公は、再び頼もしく仲間たちを先導するはずだ。しかし、最後の最後で自分が助かろうとするのだろう。
怖い2:おじさん属性
サラリーマン風のおっさんが、他の登場人物たちに比べ軽視されているようにみえ、違和感が残った。
もし酒に酔っているのが若者や女性なら、「まだ死なないから大丈夫」「来るなら早くして」等とあしらわれることもなかったのかもしれない。
ギャルに「来たんだ~おっさん」と顔をしかめられることもなかったかもしれない。
車のベルトが外れない場面では、誰か手伝ってやれば良いものを、全員逃げていく。とうとう女子高生も逃げていく。
しかしこの描写はあながちファンタジーでもないのだろう。事実、中年男性は“かわいそうランキング”で下位だからだ。
『きさらぎ駅』の元ネタ(原作)は?
映画『きさらぎ駅』の元ネタ(原作)は、2004年2月1日、ネット掲示板2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)に書き込まれた内容だ。
因みに釣り宣言はされていない。
そのため、きさらぎ駅の存在は「都市伝説」となっている。
『きさらぎ駅』の元ネタ(原作との違いは)?
原作との違いは、まず、きさらぎ駅に降りたのは主人公(語り手)がひとりという点だ。その後もひとりで行動する。
「血管」のような化け物は出てこない。
主人公はネット掲示板に書き込み、相談しながら元の世界へ帰ることを試みる。
バッテリー確保のため、「いざという時の為に、一応これで最後の書き込みにします」――という書き込みを最後に、二度と掲示板に戻らなかった、という顛末だ。
以上のことから、
- すべて創作だった
- 元の世界へ帰ってこられなかった
- 帰ってこられたけど、向こうの住人に口止めされた
というケースが考えられそうだ。
- 「きさらぎ駅」という無人駅に降りた
- 太鼓の音が聞こえる
- 「危ないから線路の上歩いちゃだめ」と声かけてくる人がいる
- 伊佐貫トンネルが出てくる
- 住民の車に乗せてもらうが、運転手の様子がおかしい
映画『きさらぎ駅』のラストの意味など考察まとめ
本記事ではホラー映画『きさらぎ駅』について、本説があたかも真実かのように考察・解説した。
- ラストの意味……先生が教え子を救うために、主人公に嘘の情報を与えていた。
- なぜ7年の月日が経過したのか……異世界の時間はループしているが、元の世界は時間が進んでいるため。
- 恐怖……主人公が元の世界に戻れる可能性が著しく低いこと・サラリーマン風の中年男性に対し、メンバーたちが冷たいこと
- 元ネタ(原作)との違い……原作では主に1人・2ちゃんねるで相談しながら行動していた・最後は車に乗ったあとの行方は掴めていない。
以上の結果となった。
まるで、高精度なVRのようで、やや羨ましくもあった。
きららぎ駅が実在するのなら、ぜひ行ってみたいものだ。
最後まで読んでくれて、ありがとニャ。