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映画『隠しごと』について。
『生きてるだけで、愛。』で知られる関根光才監督の待望の長編第2作で、
原作小説は北國浩二氏の『嘘』です。
誰かに教えたくなること間違いなし――親子の絆を描くヒューマンミステリーです。
映像化作品と原作小説のタイトルが違う場合……なにかしらの違いがありそうで気になりますよね。
ということで本記事では、ふたつの媒体を味わったわたしが、
映画と原作小説の違い・それぞれの良さ
についてご紹介していきたいと思います。
映画『かくしごと』作品情報は?
作品名 | 『かくしごと』 |
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公開日 | 2024/6/7 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 128分(2時間8分) |
監督 | 関根光才 |
原作小説『嘘』作品情報は?
作品名 | 『嘘』 |
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発売日 | 2011/7/9 |
出版社 | PHP研究所 |
ページ数 | 416ページ |
作者 | 北國浩二 |
主な登場人物/キャストは?
- 里谷千紗子/杏
……本作の主人公。一人息子をなくし、旦那と離婚している。認知症の父親の世話をすることになる。 - 里谷拓未(犬養洋一)/中須翔真
……千紗子に保護された少年。両親からむごい扱いを受けていた。 - 里谷考蔵/奥田瑛二
……千紗子の父親。認知症を患っている。元々は真面目で厳格だった。 - 野々村久江/佐津川愛美
……千紗子の友人。福祉関係の公務員。シングルマザー。
あらすじ
主人公・千紗子は、認知症の父親のために嫌々田舎へ戻ってきた。ある日、痣だらけの少年と出会う。
事故で記憶を失っているのをいいことに、千紗子は“私が母親”だと嘘をつき少年を守る決意をする。
千紗子・少年・父親の奇妙な共同生活が始まる――。
映画『かくしごと』原作との違いは?(ネタバレあり)
映画と原作の違いは、主にラストシーンです。
※以下、ネタバレ解説です。
ネタバレなしで楽しみたい方はお気をつけくださいませ。
映画について
1.ストーリーの違い
例の出来事によって、千紗子(杏)が起訴される点は同じです。しかし拓未(中須)の行動が違いました。
映画では、拓未が「洋一の記憶がある」ことを告白します。
2.人物の違い
人物でいうと、洋一の母親の印象がやや違います。
映画では「男の言いなりになる女」という印象でした。
3.映画の良さについて、感想
情景が美しいです。
面積の82%が森林だという豊かな土地(伊那市)でストーリーが展開されます。
千紗子(杏)の自然体な母の姿が魅力的でした。男の子は可愛いらしく、たとえ犯罪者になっても守ろうとする気持ちを理解することができました。
とくに父親(奥田)の演技がリアルで、胸が締め付けられること間違いなしです(撮影中の記憶が殆どないのだそう!)。
小説を読んだときは色々考えたけれど、「理屈じゃない」と思わせられました。
原作小説について
1.ストーリーの違い
原作小説では、拓未は「洋一の記憶がある」ことを告白しません。
よって、千紗子(杏)は刑務所入りします。
母が刑務所にいる間も、拓未(中須)は「嘘」をついたままです。どの状況下でもその意思を曲げません。
このように、原作小説には「裁判」のその後のストーリーが存在するため、登場人物たちのその後について触れられていることもひとつの特徴です。
2.人物の違い
人物でいうと、洋一の母親は「積極的に危害を与える女」という印象でした。
それぞれの人物や関係性について、より鮮明に描かれています。
3.原作小説の良さについて、感想
情報量は本の厚み以上です。
ストーリーは勿論、認知症の知識・理解が深まります。登場人物と共に成長でき、いざ問題に直面したときのワンクッションとなってくれるはず。
現実味を帯びており、最後の拓未(中須)の選択についても、“何故そうしたのか”見えてきます。
終盤は涙が止まりませんでした。
自己投影してカルタシス効果を得る良し。客観視して自分を見つめ直すも良し。
苦しくも美しい物語です。
映画『かくしごと』原作との違いについてまとめ
今回は映画『かくしごと』について映画と原作の違いについてまとめてみました。
もう一度まとめると、
- 原作との違い…主にラストが違う。(拓未の選択とその後について)
という結果となりました。
最後までご覧いただきありがとうございました。