映画『ラストキング・オブ・スコットランド』は実話?【アミン大統領】

映画『ラストキング・オブ・スコットランド』は実話?【アミン大統領】

『ラストキング・オブ・スコットランド』についてです。

『ラストキング・オブ・スコットランド(The Last King of Scotland)』は、2006年に公開された映画です。

本記事では、

という疑問を解決します。

本記事はネタバレを含みます。

映画『ラストキングオブスコットランド』作品情報

作品名『ラストキング・オブ・スコットランド』
公開日日本:2007年3月10日
制作国イギリス・ドイツ
上映時間121分(2時間1分)
監督ケヴィン・マクドナルド
原作『スコットランドの黒い王様(原題: The Last King of Scotland)』
(映画『ラストキング・オブ・スコットランド』作品情報)

主な登場人物

  • イディ・アミン……ウガンダの大統領。
  • Dr.ニコラス……スコットランド人の医師。
  • ケイ・アミン……イディ・アミンの妻。

映画『ラストキングオブスコットランド』は実話なのか?

映画『ラストキング・オブ・スコットランド』では、イディ・アミンの実際の政権下での出来事(実話)に触れています。

ただし、映画の内容にはフィクションや誇張が含まれているため、実際の歴史とは完全に一致するわけではありません。

映画と事実の共通するエピソード・相違点

実話1:イディ・アミン【アミン大統領】

  • 映画:映画では、フォレスト・ウィテカーが演じる「イディ・アミン」が描かれ、彼の暴力的な統治とその影響が描かれています。
  • 事実:イディ・アミンは1971年から1979年までウガンダの大統領であり、その政権は暴力と恐怖に満ちたものでした。

    彼の政権下で国民が大量虐殺されました。遺体をナイル川に投げてワニの餌にしたというエピソードも有名です。

    数十万人に上る被害者が出ました。
    そのため「ブラック・ヒトラー」という異名があります。
ヒトラーの似顔絵

実話2:Dr.ニコラス【架空の医者】

  • 映画:ジェームズ・マカヴォイが演じる映画の主人公ニコラスは架空のキャラクターで、アミンの専属として仕える医師です。

    彼の視点からアミンの政権が描かれています。
  • 事実:医師ニコラスは実在しません。彼はアミン大統領と交流のあった欧米人たちをモデルとして作られました。

    映画では彼の周囲の環境や権力の中での生活を描くために、フィクション要素が加えられています。

    映画のように親密な関係を築いたという記録はありません。

実話3:ケイ・アミン【アミン大統領の妻】

  • 映画:アミン大統領の妻のケイ・アミンは不貞を働いたことで、見せつけに殺害されてしまいます。
  • 事実:ケイ・アミンは実在した人物であり、史実でも殺害されています。ただし、その過程には違いが見られます。

    親戚の外交官が殺害されたことで腹を立て、家を出たケイ。離婚後、無残な遺体で見つかることになりました。

    因みにアミン大統領は30人以上の子供を作ったとされています。

実話4:政治的迫害

  • 映画:映画では、アミン大統領の政権による政治的迫害や暗殺の描写があります。
  • 事実:アミン大統領の治安部隊は恐怖の象徴となり、政治的反対者を狙って暗殺を行いました。アジア人追放事件(1972年8月)」は史実です。

    実際の暗殺や弾圧について歴史的記録として残っていますが、映画のようなドラマティックなストーリー展開は創作されています。

実話5:アミン大統領の特異なキャラクター

  • 映画: アミン大統領は映画の中で非常にカリスマ的でありながらも危険な人物として描かれています。

    またユニークな一面も描かれています。
  • 事実: アミン大統領は実際にカリスマ性を持つ人物であり、その大きな個性と奇抜な行動が広く知られていました。

    彼の一風変わった振る舞いや言動が、国際的に注目される一因となりました。

    政敵の生首をレイゾウコに保管したり、人肉を囚人に食べさせたりしたという逸話が伝わっています。

    そのため「人食い大統領」という異名がありますが、本人は菜食主義者だったとされています。

    また、映画上で記者会見中にジョークを交えて話す様子は、1974年アフリカ統一機構の首脳会議での演説を彷彿とさせます。

映画『ラストキングオブスコットランド』実話まとめ

映画『ラストキング・オブ・スコットランド』は、完全な実話ではありませんが、実際の歴史的背景を基に制作されています。

アミン大統領の政権下での雰囲気や特定の出来事を描くためにフィクションを交えていますが、アミンの実際の政権の暴力性や権力の中での生活など、歴史的な背景に基づいた部分も多く含まれています。

映画はエンターテインメントとして作られているため、事実を完全に反映しているわけではありませんが、ウガンダの歴史的な状況について理解を深める一助となるかもしれません。

最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事を書いた人 Wrote this article

プティ

プティ

卵肌のライター。