本サイトはプロモーションを含みます
映画『本心』についてです。
- ラストシーン(手)の意味は?
- 母親(秋子)が自由死を選んだ理由は?
- 主人公(朔也)は三好のことを愛していなかったのか?
- 三好はなぜイフィーに触れたのか?
- 原作との違いは?
映画と原作の両方を味わった筆者の、個人的な考察をご紹介しています。
【関連記事】映画『本心』のネタバレ感想・見どころ|リアルすぎる未来
映画『本心』の作品情報
作品名 | 映画『本心』 |
---|---|
公開日 | 2024年11月8日 |
上映時間 | 122分(2時間2分) |
監督 | 石井裕也 |
キャスト | 池松壮亮、田中裕子、三吉彩花、仲野太賀 ほか |
映画『本心』の3つのキーワードの解説
- FV(バーチャル・フギュア)……最先端のAI技術により、バーチャル空間に生み出される実体のない人物。
- リアル・アバター……人間がアバターとなる職業。遠隔から依頼者の指示を受ける。
- 自由死……自分の意志で「死」を選べるという新たな法律。遺族には減税が認められる。
映画『本心』のラストシーン(手)の意味は?(ネタバレ考察)
1:母への想い
朔也が、亡き母親に触れようと手を伸ばしたのだと思います。
朔也は「VF」の母親に触れる勇気がなかったけれど(実体がないため)、本当はずっと触れたかったのだと思います。
2:みな宇宙である
映画『本心』の原作では、「宇宙」についての言及があります。簡単にいうと、人々はみな宇宙から生まれ、亡くなったら宇宙の一部になるという考えです。
亡くなった母親はすでに宇宙の一部ですから、やはり、手を伸ばしたその先には母親がいたのではないでしょうか。
1:三好の手
ラストに重なったのは、おそらく三好の手です。
若い女性の手で、手首に黒いゴムを巻きつけていたからです。(確かシャワーシーンでつけていたはず……)
たとえ別々の道を歩もうが、三好の気持ちもまた朔也の傍にあるようです。
映画『本心』で母親が自由死を選んだのは「もう十分」だったから(ネタバレ考察)
母親(秋子)が自由死を選んだ理由は、「もう十分だったから」。
本作には「分人主義(ぶんじんしゅぎ)」というひとつのテーマがあります。
“夫や妻の前にいる自分、友人の前にいる自分、職場の自分――全ての人格が本当の自分”という考え方。
母親が自由死を選んだのには、「息子の将来を案じた」というのもあると思いますが、なにより「死の一瞬前」に息子の母親でいたかったのだと思われます。
映画『本心』で主人公は三好を愛していた(ネタバレ考察)
主人公・朔也は「本心」では三好を愛していたと思います。
なぜ朔也が本心を隠したのかといえば、イフィーや三好を失うことを恐れたからなのでしょう。
彼らは、朔也にとって、VFの母親との会話を忘れさせてくれた存在であり、心の支えです。
イフィーの元を去れば、学歴のない朔也が割りのいい仕事を見つけることは難しく、三好を幸せにできる保証もありませんでした。
朔也にこの決断をさせたのは「世知辛い世の中」といえそうです。
三好がイフィーの手を触れた理由は…(ネタバレ考察)
三好がイフィーの手に触れることができたのは、イフィが「車イス(下半身不随)」だったからと思います。
三好が怖い目に遭わされたのは「力で敵わない男性」
三好が母親(VF)の手を握って話していたことから、恐怖の対象は男性に限定されると考えられます。
三好が嫌な経験をさせられたのは「腕力で敵わない男相手」。
仮に、もし、イフィーと三好が取っ組み合いになったとすれば、恐らく有利なのは三好でしょう。無理強いされることはないはずです。
一方、三好の本心は……
実のところは「イヤだった」「好きな人の顔を立てるために我慢した」というのが本心だと思います。
三好はイフィに触ったあと、ダンスのターンをして顔を背けている間に一瞬、顔を歪めて耐えているかのようなシーンがありましたね。
三好は朔也に惹かれており、安心できる男性もいると感じられたからこそ、イフィに触れたのだと感じられます。
【関連記事】映画『本心』のネタバレ感想・見どころ・あらすじ紹介|リアルすぎる未来
映画『本心』と原作の違い5選
違い1:母親の自由死の認可について
映画:母親が亡くなるまで主人公は知らない。
原作:母親が亡くなる前から知っている。
違い2:主人公の過去
映画:退学。
原作:自主退学。
クラスメイトの少女のために行動を起こす点では同じです。
違い3:母親の過去
映画:同性愛者の印象。
原作:同性愛者という表現はなし。
個人的に、映画の母親の「私がダンスすると…」というシーンがお気に入りですが、映画オリジナルです。
違い4:三好のキャラクターの印象
映画:ぶっきらぼうな女性というイメージ。天然美人。
原作:コミュニケーション力があるお姉さんというイメージ。整形美人。
映画では「敬語を直しましょう!」と言うシーンが印象的ですが、原作の三好は初めからタメ語。
違い5:キャラクターの有無
映画:VF技術者の娘は、映画オリジナルです。
原作:母親のかかりつけ医・お気に入りの作家などが登場し、存在感を放ちます。
映画『本心』のラストシーンなど考察まとめ
映画『本心』についての考察・原作との違いをネタバレありでご紹介しました。
もう一度まとめると、
- ラストシーン(手)の意味は?……母親や三好に触れているということ。
- 母親(秋子)が自由死を選んだ理由は?……もう十分だったから・息子の前にいる自分で終わりたかったから・幸せだったから。
- 主人公(朔也)は三好のことを愛してなかったのか?……本心では愛していた。
- 三好はなぜイフィに触れたのか?……イフィが車イスだったから・朔也に惹かれていたから。
という結果になりました。
ご参考になりましたら幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。