こんにちは!おかえりなさい!
映画『ドライブ・マイ・カー(2021)』についてです。
本作は、第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞、第79回ゴールデングローブ賞非英語映画賞など、国内外で数々の賞を受賞した作品です。
「ラストシーン」の解釈について疑問の声が多数あがっているようですよ。
……ということで、早速考察していきたいと思います。
- ラストシーンの意味
- みさきの傷や犬について
- ふたりは結婚したのか
ぜひご覧くださいませ。
映画『ドライブマイカー』作品情報
作品名 | 『ドライブ・マイ・カー』 |
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公開日 | 2021年8月20日 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 179分(2時間29分) |
監督 | 濱口竜介 |
原作 | 村上春樹 |
映画『ドライブマイカー』あらすじ
引用元:映画『ドライブ・マイ・カー』チラシ観る者の魂を震わせる、圧巻のラスト20分
俳優であり演出家の家福は、愛する妻の音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう――。
2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去を抱える緘黙な専属ドライバーのみさきと出会う。さらに、かつで音から紹介された俳優・高槻の姿をオーディションで見つけるが…。
悲しみと“打ち明けることのなかった秘密”に苛まれてきた家福は、みさきと過ごすなかでそれまで目を背けてきたあることを気づかされていく。最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは――。
観る者の魂を震わせる圧巻のラスト20分。誰しもの人生に寄り添う、新たなる傑作が誕生した。
主な登場人物(キャスト)
- 家福悠介(西島秀俊)……俳優かつ演出家。
- 家福音(霧島れいか)……家福の妻。
- 渡利みさき(三浦透子)……家福の専属ドライバー。
- 高槻耕史(岡田将生)……俳優。
『ドライブマイカー』ラストシーンの意味は?傷や車についてネタバレ考察
『ドライブマイカー』のラストシーンは、:家福とみさきがのふたりが、それぞれ、過去のしがらみから解き放たれて、新たな人生を歩みはじめた」という意味だと思います。
以下、ネタバレ解説です。
みさきのラストについて
まずは、みさきの頬の傷がなくなっていることに注目です。
医者からは「治療によって目立たなくなる」と言われていましたが、敢えてそのままにしていました。その理由は、みさきは母を見殺しにした罪悪感を抱いていたからでしたね。
罰の印を取り除けたということは、
みさきは自分を許すことができたということです。
家福のラストについて
家福についても、
妻に対して最悪感を抱いていました。何故なら、遠回りして帰宅している間に亡くなってしまったからです。
それと同時に、「なぜ浮気していたのか」というモヤモヤも抱えています。
しかし、家服が愛車を手放していることから、彼もまた過去を手放す決意ができたのだと分かります。
家福が白内障だったことも、「きっと彼が愛車を彼女に譲ったのだ」と考えられる一因となっています。
最後、みさきが犬を飼っている意味は?ネタバレ考察
(↑柴犬かわいいですね)
ラストシーンで、車の助手席に犬が座っている点に、多くの観客が注目しています。なにか意味があるはずですよね。
犬を飼うという行為も、母の死を乗り越えたというひとつのメッセージになっていると思います。
何故なら、ペットを飼うということは、ある意味、親になるようなものだからです。
因みに、「韓国人夫婦から譲り受けたのでは?」という疑問の声もありますが、そうでない可能性のほうが高いでしょう。
理由としては、犬種が違うのと、ペットは家族同然だからです。
(※韓国人夫婦の犬種=ゴールデンレトリバー、みさきの犬種=柴犬)
自分を罰する気持ちが強かった彼女は、もしペットを飼いたいと願っても、飼う資格がないと感じていたのではないでしょうか?
その後は、自分の気持ちに素直に生きることができているようです。
最後、韓国にいる理由は?ネタバレ考察
みさきが韓国にいた理由は、彼女の母親が在日韓国人だったからだと思います。
みさきがスーパーで流暢な韓国語を話していることから、韓国は彼女の母国であるようです。
みさきと母親の過去のエピソードは、在日だという伏線となっていました。
例えば、生まれが北海道だったり(在日が多い)、母親の仕事内容などです。
最後の最後で、みさきや母親が抱えていたものがより大きかったのだと分かります。
みさきは自ら母親の故郷に戻り、母の記憶に寄り添っているように見えます。
最後、家福とみさきは結婚したの?考察
家福とみさきが結婚したのか否かは、劇中で明確には語られていません。
もしかしたら結婚しているかもしれないし、同居しているだけかもしれないし、そもそも傍にいないかもしれません。
観客に一物残す、味のあるラストシーンだと思います。
自由に受け取ることができますが、個人的には「家族のような」絆で結ばれているような気がします。
本作は、劇中劇であるロシアの作家アントン・チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』にシンクロして進行します。
(ワーニャ伯父さん=家福、ワーニャの姪=みさきです。)
姪はワーニャ伯父さんに「運命が送ってよこす試練にじっと耐え、生きていきましょう」という内容の言葉をかけます。
この『ワーニャ伯父さん』のラストから考察するに、
おそらくふたりは恋人関係ではなく家族のように寄り添って暮らしているのではないでしょうか?
男女間の恋愛に囚われないことで、家福にとって、これまでとは違った未来が強調されているように思います。
映画『ドライブ・マイ・カー』ラストシーンの考察まとめ
本記事では映画『ドライブ・マイ・カー』のラストシーンについて考察してみました。
もう一度まとめると、
- ラスト、傷が消えている理由…自分を許せたから。
- ラスト、犬の意味…過去の傷を乗り越えたから。
- ラスト、家福とみさきは結婚したのか…明確には語られていないが、結婚していない可能性が高いと考察。
- なぜ韓国なのか…みさきたち親子が在日だったから。
以上の結果となりました。
ご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ふふふふふ。