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韓国映画『ベイビー・ブローカー』についてです。
本作は、赤ちゃんポストに預けられた赤ちゃんを巡るストーリーです。
- 「最後の写真の意味は?」
- 「4000万ウォンの意味は?」
- 「最後、ドンスどうなった?」
- 「サンヒョンのヒッチハイクの意味は?」
- 「ソヨン・サンヒョンのその後は?」
などについて考察・解説していきます。
よろしければご覧くださいませ。
【ベイビー・ブローカー】作品情報
作品名 | 『ベイビー・ブローカー』 |
---|---|
公開日 | 2022年6月24日 |
制作国 | 韓国 |
上映時間 | 129分(2 時間9分) |
監督・脚本・編集 | 是枝裕和 |
主演 | ソン・ガンホ |
- 2022年、第75回カンヌ国際映画祭「エキュメニカル審査員賞」・コンペティション部門「男優賞(ソン・ガンホ)」受賞
- 2023年 、第16回アジア・フィルム・アワード「最優秀監督賞」受賞
【ベイビー・ブローカー】登場人物
- サンヒョン/ソン・ガンホ
……自称“善意のブローカー”。順風満帆とはいえない生活を送っている。 - ドンス/カン・ドンウォン
……サンヒョンの相棒。施設育ち。 - ソヨン/イ・ジオン
……ウソン(赤ん坊)の母親。複雑な事情を抱えている。 - スジン/ペ・ドゥナ
……ブローカーを追う刑事。サンヒョンたちの動きを監視している。 - イ/イ・ジュヨン
……スジンの相棒。スジンを尊敬している。 - ヘジン/イム・スンス
……施設の少年。サンヒョンたちと旅を共にする。
【ベイビー・ブローカー】あらすじ・ストーリー紹介
引用元:映画『ベイビー・ブローカー』公式サイト│ZIP CINEMA赤ちゃんを高く売る。それだけのはずだった。
古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。
ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。
しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。
一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと、静かに後を追っていくが…。
<赤ちゃんポスト>で始まった彼らの、特別な旅が始まる――。
考察1:モーテル(殺害現場)にあった4000万ウォンの意味は?
「モーテルで亡くなった暴力団組員=テホ(未亡人が雇った暴力団組員)」という意味です。
何故なら、モーテル(殺害現場)にあった4000万ウォンという大金は、ウソンを買うためにテホが用意した額だからです。
事件の被害者は、未亡人が雇った暴力団組員です。
なぜ殺した?
サンヒョンは、テホらに引き渡せばウソンが海外に転売されてしまうことを見ぬいていました。ソヨンへの復讐のためです。
その後、サンヒョンが行方不明のままなのは、おそらく彼が犯人だからです。
つまり、ウソンやソヨンに黒い影が忍び寄らないよう、始末した……という意味です。
未亡人への警告にもなったはずです。
引用元:映画『ベイビー・ブローカー』│ZIP CINEMA「いや、(ソヨンは俺たちを)売るよ。ウソンのためなら何だってする。でも、それでいいんだ。お前も親になったら分かる」(サンヒョン)
上記のセリフは、ソヨンの気持ちを代弁しているつもりが、サンヒョンの心理でもありました。
「4000万ウォン」を用意した未亡人サイドに対し、ソウルの上品な夫婦は「3000万ウォン」を用意しました。
生粋のブローカーなら「4000万ウォン」の客を選ぶはずです。
しかしサンヒョンはそうしませんでした。
サンヒョンは“善意のブローカー”なのです。
サンヒョンが殺した理由は、赤ちゃんの未来を守るためです。
考察2:最後の写真の意味は?
写真1:車にかけてあったやつ
車に乗っているのがサンヒョンだということ・彼にとっての家族が、彼ら5人であることを示しています。
理由は以下になります。
普通に考えれば、写真(5人ショット)の持ち主は被写体のうち誰かということになりますよね。
さらに、最後に映ったクリーニング業者のトラックは、サンヒョンの運営していた乗用車と同じです。
ちょうど運転手が樹の幹で隠れて見えなくなっていましたが、おそらくそこにいるのがサンヒョンなのでしょう。
最後、写真が揺れているのは車が出発した証拠。サンヒョンは殺人犯なので、その輪に入っていくことはできません。
だから、車内からソヨンが公園の奥へ駆けていく様子を、ただ静かに見守っていたのです。
写真の被写体が、元嫁と娘でないことから、いまのサンヒョンにとって守るべき家族は、あの思い出の日々にいるようです。
写真3:ソヨンのロッカーにあったやつ
遊園地で5人で遊んだときに撮ったプリクラ写真です。また、彼らがソヨンの心の支えになっていたことが分かります。
ソヨンの仕事場のロッカーに飾られていた写真は、遠目で判別できません。
――が、車内の写真とデザインが同じ・みんなで写真を撮ったのは遊園地のときだけなので、プリクラだということが分かります。
仕事場にかけてあることや、ソヨンが娑婆に出てきたあとに「洗車」のお仕事していることからも、5人で過ごした日々を励みに過ごしてきたことが伺えますね。
ソヨンのロッカーにあった写真は、5人で遊園地でとったプリクラ写真です。
考察3:最後、ドンスはどうなった?
結論からいうと、ドンスについては2パターン考えられます。
- 最後、例の公園でみんなと再会する未来。
- サンヒョンの相棒として仕事を続ける未来。
ドンスは「ソヨンがやり直せるなら……」と、警察に売られることが分かったうえで、現行犯逮捕されました。
何故かといえば、ソヨンに特別な感情があったからです。
彼女と母親を重ねていたため、そうまでして守る価値はあったのでしょう。
因みに、スジン刑事が「ドンスとヘジンには手紙を出した」と言っていたことから、ラストシーンの時点では執行猶予がついているか刑期を終えているはず。
以上のことから、例の公園へ向かえばソヨンたちみんなと再会できます。
……一方で、サンヒョンに続きドンスについても、公園に向かうシーンがないのは違和感ですよね。
つまり、現行犯逮捕されてから、スジン刑事とやり取りはしていたものの、実はサンヒョンの相棒として助手席にいるパターンです。
ドンスはソヨンと一緒になる・もしくは引き続きサンヒョンの相棒として活動していく未来があります。
考察4:へジンがヒッチハイク……なぜ?
最後、へジンがヒッチハイクしているのは、待ち合わせ場所の公園に向かうためです。
ヒッチハイクしていることや、最後に施設の車で職員が助けにきてくれたというところから、「保護者・お金がない=へジンは孤児のまま」ということが分かります。
“一定の年齢になると養子になるのは厳しい”という現実が描かれています。
しかし。今後、品の良い夫婦、もしくはソヨンが引き取ってくれるのではないか……という期待の余地が残るラストだと思います。(ソヨンがタイプにあげた“オーバーオール”を着ているのが健気!)
ヘジンはまだ施設にいて自由なお金がありません。なのでヒッチハイクで目的地(公園)まで行こうとしました。
考察5:ソヨンのその後はどうなる?
ソヨンは刑期を終え、やり直すことが可能です。
今後、ソヨンは新たな家族を築くでしょう。
やがて旦那との間に新しい子を儲けるのではないでしょうか。
罪を償ったあとなので、もう苦しまずに済むはずだからです。
ウソンについては、ソウルの夫婦が時々ウソンと遊んでいたり、ソヨンもドンスも「彼らになら……」と認めていたことから、彼ら夫婦の養子となる未来もあるかもしれませんね。
ソヨンはその後、やり直します。
考察6:サンヒョンの最後~その後はどうなる?
最後、目立つ車に乗り、引き続きクリーニング店を経営しているというところを見ると、事故と処理された可能性が高いのではないでしょうか。
引用元:映画『ベイビー・ブローカー』│ZIP CINEMA『警察は事件と事故の両面を視野に入れ、捜査中です。』(報道)
いずれにせよ、サンヒョンは罪の意識から、彼らの前に姿を現すことはないのでしょう。
サンヒョンは、その後も”善意のブローカーを”続けつつ、今後もそれぞれの行く末を見守ってくれるのはないでしょうか。
その姿は、まるで本当の父のようです。
サンヒョンは善意のブローカーとして、ひっそり活動を続ける可能性が高いです。
【ベイビー・ブローカー】最後の写真/ラストの4000万ウォンなど考察まとめ
本記事では韓国映画『ベイビー・ブローカー』についてまとめてみました。
考察したところ、
- 最後の写真は?……家族写真。
- ラストの4000万ウォンの意味は?……殺されたのは、未亡人が雇った暴力団ということ・犯人がサンヒョンだということ。
- 最後、ドンスどうなった?……みんなと公園で再会する未来・サンヒョンの相棒として生きる未来。
- 最後、へジンがヒッチハイクしているのは何故?……待ち合わせ場所の公園に向かっているから。へジンは今も施設にいるというメッセージ。
- 最後、サンヒョンどうなった?……善意のブローカーとして活動を続ける可能性が高い。
などという結果となりました。
「生まれてくれてありがとう」――どんな子でも、どんな大人でも、きっと言われたら嬉しい言葉ですね。
では、またどこかの作品でお会いしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。