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映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、若者たちの純粋な想いと戦争の残酷さを描いた、心揺さぶられる作品です。
8月8日には、金曜ロードショーで地上波初放送されることでも注目を集めています。
この記事では、感動シーン・印象に残ったシーンを凡人なりに振り返りたいと思います。
▶映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』ツッコミどころまとめ!徹底考察
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映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の登場人物・キャスト一覧
- 加納百合役/福原遥:女子高生。本作のヒロイン。
- 佐久間彰役/水上恒司:特攻隊員。本作のヒーロー。
- ツル役/松坂慶子:鶴屋食堂の女将。
- 石丸役/伊藤健太郎:特攻隊員のムードメーカー。
- 千代役/出口夏希:勤労学生。
- 板倉役/嶋崎斗亜:特攻隊員の最年少。
- 加藤役/小野塚勇人:特攻隊員のエリート。
- 寺岡役/上川周作:特攻隊員の最年長。
- 加納幸恵役/中嶋朋子:百合の母親。夫と死別している。
- ヤマダ役/坪倉由幸:百合の担任教師。
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で感動シーン・印象に残ったシーン7選|感想つき
なかでも感動シーン・印象に残ったシーンがこちらです。
1.彰が出撃する前日の、百合畑でのひととき
感動シーン・印象に残ったシーン
彰が特攻隊として出撃する前日、百合の提案で2人は百合畑に向かいます。
その場所で彰は、
「百合(花)の香りに包まれていると、良いことも悪いことも全て忘れられる」
と静かに語ります。
「良いことは忘れちゃダメじゃない?」と明るくツッコミをいれる百合に対し、「何も考えたくないこともある」と返す彰。
感想
彰は、特攻隊に志願してからというもの、
今日という日が、“人生の最後”になるかもしれない。
そんな覚悟を、毎朝毎晩、胸に刻みながら生きてきました。
だからこそ、どんな感情も一瞬のきらめきであることを、彼は知っていたのです。
そして、彼には「体育の教師になる」という将来の夢もありました。
良い感情さえも、苦しみに変わってしまうときがあるのです。
その気持ちに思い至らない百合とのすれ違いが見える、切なさ溢れるシーンです。
2.ふたりで食べる喫茶店のかき氷は、“幸せの味”
感動シーン・印象に残ったシーン
特攻隊員たちによる野球の帰り道。
百合と彰は、喫茶店に立ち寄ってかき氷を味わいます。
まるで初デートのような甘いひととき。
氷に砂糖水をかけただけという素朴なかき氷を目の前に、“これがみぞれ味?”と動揺を見せる百合。しかし、一口食べると、思わず顔を綻ばせます。
百合は「幸せの味」と表現。そのあとに彰も同じく「幸せの味」と続きます。
感想
戦時中という緊迫した日常のなかでのちょっとした贅沢、つかの間の安らぎ。
恐らく彰は、いまの感情をのせて「幸せの味」と例えたのでしょう。
彰は、特攻隊として誇りをもっていました。敢えてそう言い聞かせていたかもしれません。
そんな彰が、特攻隊員でない1人の青年として、“本当の幸せ”を心から噛みしめている姿に、胸が熱くなりますね。感動シーンです。
3.空襲時、お米を探しに戻ろうとする百合を引き止める彰の叫び
感動シーン・印象に残ったシーン
百合は空襲で足をやられ、動けなくなります。危ないところを彰に助けられます。
逃げている最中、鶴さんの大切な着物と引き換えに手に入れたお米がないことに気がつきます。それは、特攻隊員たちに御馳走するためのお米でした。
血相を変えて、道を引き返そうとする百合に、とっさに彰がかけた言葉は――。
「バカ!命が一番だろ!」
でした。
感想
その言葉の直後、少し複雑な表情をみせる彰。無意識下の本音が出た……というように見えます。
人にはハッキリと「命が1番」とそう言えるのに……。
彰が蓋をした感情に、ストレートに寄り添ってくれる百合だからこそ、惹かれていったのかもしれません。
ちなみにほかの場面でも、百合と特攻隊の青年たちの価値観の違いが際立ち、印象に残ったシーンです。
揺れ動く特攻隊員たちから目を話せません。
▶映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』ツッコミどころまとめ!徹底考察
4.「おめでとうございます。」
感動シーン・印象に残ったシーン
鶴屋食堂で、彰たち特攻隊員が、明日に出撃することが決まったことを鶴さんに報告するシーン。
彼らの言葉を受け止めた鶴さんは、振り絞るように、
「おめでとうございます。」
と、たった一言伝えます。
感想
ツルさんは、日本を守るために命を捧げようとする青年らに対し、常に心を尽くしてきました。その一言も最善の対応のように見えます。
疑問を素直に口にして訴える百合とは、終始対照的でしたね。
当時の特攻隊員からすると、このツルさんの言葉が救いであり、心の拠り所となっていたことは想像に難くありません。
ただし、現代からの視点で観ると、特攻が決まった報告に対し「おめでとう」という返答が良しとされているのは、カルト的な恐怖を覚え、ゾッともしました。
ほかに印象に残ったシーンとして、前日の夜、脱走しようとした最年少の特攻隊員に向けて、先輩が放った「生き恥をさらすな」という言葉もまた、同じ空気を孕んでいました。同調圧力が存在していたといえるでしょう。
5.特攻員たちから託された手紙
感動シーン・印象に残ったシーン
鶴屋食堂の女将・ツルさんは、特攻隊員たちにただ食事をふるまうだけではありませんでした。
彼らが出撃前に書いた“最期の手紙”を預かり、宛名の人物へきちんと届けるという、もうひとつの大切な役目を担っていたのです。
というのも、正式な手紙は上官によって検閲され、内容によっては破棄されてしまうこともあったからでした。
感想
実際に特攻隊員だった方々の証言によると、志願した者もいれば、説得や命令に逆らえず“志願せざるを得なかった”者もいたようです。
感動シーンとして、物語の終盤、出撃の前日――彰がほとんど言葉を交わさずに百合の元を去るシーンがあります。
そのアッサリとした態度に、初めは戸惑いを覚えました。
けれど、彰が百合宛ての手紙をツルさんに託していたという事実──。
本当の別れの言葉は、そこに書かれていたのです──。
そう思うと、彼の沈黙が、かえって痛いほど胸に響いてきます。
そして何より、手紙を託したい“誰か”がいること。
それが、どれほど彼らの心を支えていたのか──。
その時代は、思いのまま話したり、意思を主張できるとは限りませんでした。
それを考えると、特攻隊による戦闘死者数役6300人以上という重さに、静かに手を合わせたくなるのです。
6.ラストの出撃シーン
感動シーン・印象に残ったシーン
特攻隊員たちは、立派な態度で飛び立っていきました。なかには笑顔を見せる者も。
飛行機の機体には、下にぶら下がる爆弾。
そしてコクピットには、妻や子どもの写真、千代紙の人形、そして百合の花──それぞれが「誰かを想う証」を抱えていました。
感想
彼らは、作中の冒頭で百合がいうように「自爆」したのでしょうか――。
それに対する答えは、きっと“NO”です。彼らは「自爆」したのではなく、「誰かを守るために飛んだ」のだと。
ラストシーンは、そんな“答え合わせ”をするような感動シーンでした。
因みに、特攻隊が乗る飛行機の燃料は片道分しか積んでいないので、搭乗した瞬間から(もっと言えば、特攻隊員になった瞬間から)死へのカウントダウンは始まっています。「やっぱやーめた」も通用しません。
気丈にふるまうかのような表情で飛び立つ彼らの、その胸の内は想像を絶します。
補足となりますが、特攻作戦の発案者とされる海軍軍司令部次長の大西瀧次郎中将さんは、戦争終了を知らせる「玉音放送」の翌日に自ら命を絶っています。
「特攻」という名の作戦が、そしてあの戦争そのものが、
どれほど重く、取り返しのつかない愚かさだったのか──。
それを誰よりも理解していたのは、彼自身だったのかもしれません。
7.戦時中を生きた彰から届いた、未来への手紙
感動シーン・印象に残ったシーン
社会科見学の知覧特攻平和会館で思いがけず見つけた、彰の写真と、百合宛ての手紙。
それには、
「できるならば、戦争のない時代に生まれて君と一緒に過ごしたかった」
「平和で笑顔の絶えない未来を、一生懸命生きてくれ」
などと綴られていました。
百合は、過去で読むことなく現実に戻ってきてしまいましたが、このような形で目にすることになりました。
そこに綴られた彼からの恋心、未来にかける想いに、百合はたまらず泣き崩れます。
感想
ラストの感動シーン。彰が願った通りの未来を生きている百合。
いまある平和と自由は、彰たち特攻隊が命をかけて守ってくれた世界でした。
人は不思議なもので、……最初は衣食住が気になり、それが満たされれば、今度は仕事のこと、人間関係、肌の調子……と、悩みは尽きません。不満は積りやすいです。
私はよく、怪我や病気になったとき、健康体の有難さを噛みしめます。
普段、自由にものを言ったり、好きな人と手をつないだりできること――何気なく過ごしている“当たり前の日々”に心から感謝できるのは、もしかすると、ふたたび戦争が始まったときなのかもしれません。
けれど、それでは遅い。勿体ない。特攻隊員たちが尊い命を捧げて託してくれた今を、熱意をもって生きたいと思わされました。
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映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の感動シーン・印象に残ったシーンまとめ
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、ただのタイムスリップ恋愛映画ではありません。
戦争という過酷な時代を生きた人々の心に寄り添いながら、今を生きる私たちに「当たり前にある日常の尊さ」を静かに問いかけてきます。
特攻隊は実在していたので、私たちの心を打ちますよね。
彰が託した手紙の言葉や、特攻隊員たちが残した想いは、フィクションでありながら、現実に生きた誰かの“本音”を感じさせてくれました。
数々の感動シーン・印象に残ったシーンを通して、平和とは何か、命とは何かを見つめ直し、「いま」をどう生きていくかを優しく背中から支えてくれるような作品でした。